わたしのレスキュー体験 その14
わたしのレスキュー体験>坂下 大輔
苦手なものこそ 坂下 大輔
新社会人としてコピンピアに入社し、社長との面談の際に勤務先の希望を聞かれました。新入社員である自分にとって勤務地を選ぶなどという余裕はありませんでしたが、
「ここだけは遠慮したいっていう場所は?正直に言っていいよ」
という言葉に流されるままに
「名古屋での勤務はちょっと・・・」という言葉が出てしまいました。
生まれも育ちも岐阜であった自分にとって、岐阜で働きたいという気持ちは当然ありましたが、当時の自分にとって「電車」というものが非常に怖い存在でもあったのです。実は就職する前に目の前で人身事故を目撃してしまい、それ以来電車のホームがトラウマとなり気分が悪くなるという症状がありました。
その旨を伝え、面談を終えましたが、実際に、勤務地として任命されたのは「名古屋支店」。まさかの結果に多少動揺しましたが、社長からのお言葉として「苦手なものから目を背け続けていては、何の解決にもならない。敢えて苦手なものに正面からぶつかっていくことで、そのトラウマを解消して欲しい」という思いを伝えて頂きました。
当然初めの頃は通勤時には気分が悪くなり冷や汗をかきながらの出社の日々が続きました。しかし毎日繰り返し出勤している中で徐々に慣れ、いつの間にか、あんなに苦しんだのが嘘のようにトラウマなど無くなっていました。
今考えれば入社しておいて電車に乗れないだなんて何て甘い事を言っていたんだろう、と反省しますが、社長の強い判断があったからこそ今の自分があります。
食べ物にしても、人にしても苦手と感じたものは自分から遠ざけてしまいがちですが、あえて正面からぶつかっていく解消法、それも大事だと思えた出来事でした。
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