街角の掲示板、ポストに届く案内、イベント会場で手渡される一枚・・・
チラシは、私たちの暮らしの中でさりげなく情報を届けてくれる存在です。手軽でありながら、工夫次第で印象深く、効果的にメッセージを伝えることができるのがチラシの魅力。今回は、そんな「チラシ印刷」について、基本から実践的なポイントまで、わかりやすくご紹介します。
チラシの役割とは?
チラシは、商品やサービス、イベントなどの情報を広く伝えるための印刷物です。新聞折込やポスティング、店頭配布など、用途は多岐にわたります。広告媒体としての歴史も長く、デジタル化が進む現代においても、紙のチラシには「手に取ってもらえる」「目に留まりやすい」「地域密着型の訴求ができる」といった強みがあります。
特に、地域イベントや飲食店のキャンペーン、学習塾の案内など、ターゲットが明確な場合には、紙のチラシが非常に効果的です。限られたスペースに情報を凝縮し、視覚的に訴えることで、短時間で印象を残すことができます。

用途に応じた用紙選びのポイント
チラシ印刷において、用紙選びは仕上がりの印象を左右する重要な要素です。以下に、代表的な用紙の種類と特徴を用途別にご紹介します。
① コート紙(光沢あり)
特徴:表面に光沢があり、発色が鮮やか。写真やグラフィックが映える。 |
用途例:飲食店のメニュー紹介、商品カタログ、イベント告知など。 |
注意点:光沢が強いため、筆記には不向き。手書きメモを加えたい場合は避けた方が無難。 |
② マットコート紙(光沢控えめ)
特徴:落ち着いた質感で、文字が読みやすい。写真も比較的きれいに再現可能。 |
用途例:セミナー案内、教育関連のチラシ、企業紹介など。 |
注意点:コート紙同様に塗工紙となり、筆記に不向き。 |
③ 上質紙
特徴:コピー用紙に近い質感。筆記性が高く、手書きメモやスタンプに適している。 |
用途例:アンケート付きチラシ、回収型の案内、地域活動の告知など。 |
注意点:写真や色の再現性はやや劣るため、ビジュアル重視の場合は不向き。 |
用紙の厚み(坪量)について
一般的なチラシには、90kg〜110kg程度の厚みがよく使われます。厚みがあるほど高級感が出ますが、折込やポスティングでは軽さも重要。用途に応じて、厚みも調整しましょう。
ちなみに坪量とは、用紙1平方メートルあたりの重さ(g/㎡)を指します。数字が大きいほど厚く、しっかりとした質感になります。チラシでは、軽さ・コスト・印象のバランスを考慮して選ぶことが大切です。
◆用紙の厚みと特徴一覧
坪量(kg) | 用紙の厚み感 | 特徴・用途例 | 印象・メリット | 注意点 |
---|---|---|---|---|
55〜70kg | 薄手・軽量 | 新聞折込、ポスティング用大量配布チラシ | 軽くてコストが安い。折りやすく、持ち運びに便利 | 透けやすく、安っぽく見えることも |
90kg | 標準的 | 店頭配布、イベント告知、地域案内など | 適度な厚みで扱いやすく、印刷の発色も良好 | 高級感はやや控えめ |
110kg | やや厚め | 商品紹介、キャンペーンチラシ、教育関連 | しっかりした印象で、耐久性もあり | 折り加工が必要な場合はやや硬め |
135kg | 厚手・高級感 | ブランド広告、展示会資料、会社案内など | 高級感があり、発色も鮮やか。存在感がある | コストが高く、折りにくい場合も |
180kg以上 | カード並み | ポストカード、DM、クーポン券など | 非常に厚く、耐久性抜群。特別感を演出できる | チラシ用途には不向き。郵送時の重量に注意 |
※「kg」は四六判換算の表記です。印刷会社によってはg/㎡で表記される場合もあります(例:90kg ≒ 104.7g/㎡)。
◆用紙の厚みの選び方のポイント
●大量配布・コスト重視の場合
新聞折込やポスティングには、55〜70kgの軽量紙が適しています。コストを抑えつつ、広く届けることができます。
●バランス重視の場合
90〜110kgは、発色・質感・価格のバランスが良く、最も汎用的です。初めてのチラシ制作にもおすすめ。
●高級感・耐久性重視の場合
135kg以上は、ブランドイメージを重視する場合や、長期掲示される用途に向いています。
仕上がりに影響する厚みの要素 |
---|
両面印刷の場合:薄い紙では裏写りの可能性があるため、90kg以上を推奨。 |
折り加工をする場合:厚みがあると折りにくくなるため、筋入れ加工(スジ押し)を検討しましょう。 |
郵送・持ち運び:厚みがあると重量が増すため、郵送コストや持ち運びの負担も考慮が必要です。 |
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サイズ選びのコツ
チラシのサイズは、配布方法や掲載内容によって最適なものを選ぶ必要があります。代表的なサイズとその特徴は以下の通りです。
サイズ | 寸法(mm) | 特徴・用途例 |
---|---|---|
A4 | 210×297 | 一般的なサイズ。情報量が多く、読みやすい。ポスティングや店頭配布に最適。 |
A5 | 148×210 | コンパクトで手渡しに適している。キャンペーン告知やクーポン付きチラシに。 |
B4 | 257×364 | 新聞折込に多く使われる。広範囲に情報を掲載可能。 |
B5 | 182×257 | 少し小さめで、持ち運びやすい。学校案内や地域イベントに多用される。 |
サイズが大きいほど情報量は増えますが、持ち運びやすさや配布コストも考慮する必要があります。特に折込やポスティングでは、折り加工の有無も検討しましょう。
チラシデータ作成時の注意点
チラシ印刷の品質は、データ作成の段階でほぼ決まると言っても過言ではありません。以下に、印刷トラブルを防ぐための基本的な注意点をまとめました。
① 塗り足しの設定
仕上がりサイズぴったりでデザインを作成すると、断裁時に白フチが出る可能性があります。必ず、上下左右に3mm程度の「塗り足し」を設定しましょう。
② 解像度は300dpi以上
画像や写真は、印刷用には300dpi以上の解像度が必要です。Web用の画像(72dpi)では、ぼやけたり粗くなるため注意が必要です。
③ カラーモードはCMYK
印刷はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)で行われます。RGBで作成されたデータは、色味が変わる可能性があるため、必ずCMYKに変換しましょう。
④ フォントのアウトライン化
使用したフォントが印刷会社にない場合、文字化けの原因になります。Illustratorなどで作成する場合は、フォントをアウトライン化しておくと安心です。
⑤ 文字サイズと余白の配慮
読みやすさを意識して、本文は最低でも8pt以上を推奨します。また、端に文字が寄りすぎると断裁時に欠ける可能性があるため、余白をしっかり確保しましょう。
チラシ印刷は、単なる情報伝達ではなく、「誰に」「何を」「どう伝えるか」を形にするクリエイティブな作業です。用紙やサイズ、データ作成の工夫次第で、受け取った人の印象や行動に大きな影響を与えることができます。

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Profile:
坂下大輔
コピンピア一筋21年。会社随一のアイデアと閃きで、社内外に向けたいくつもの企画を成功に導き社長賞を何度も受賞。知識よりも感覚で仕事をするのが好きで、簡単なデザインならデザイナーに依頼せずに自分で作成してしまうことも。社員旅行では宴会ではしゃぎ過ぎる一面も持ちながら、息子の影響でFC岐阜とお寺巡りにはまっている。日本酒が大好きなのに焼酎が飲めないという変わったお酒好き。